理事長挨拶



理事長からのメッセージ

2022年12月


一般社団法人 日本臨床精神神経薬理学会(JSCNP)理事長として、一言ご挨拶を申し上げます。


2022年10月に開催された理事会にて下田和孝理事長の後任として11代目理事長に選出されました。2024年に東京にて開催予定の第34回年会終了時までの任期中、古郡規雄副理事長や理事・評議員・会員の先生方と協力して、学会発展のために全力を尽くす所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。


JSCNPは「臨床精神神経薬理学を発展させ、精神科薬物療法を向上させる」という目的を掲げ、1991年11月10日、福島県立医科大学にて第一回臨床精神神経薬理研究会(19演題)としてスタートしました。1994年に「臨床精神神経薬理学会」に、1995年には「日本臨床精神神経薬理学会」へと名称変更され、2010年には一般社団法人となり、現在会員数は1500名を超えています。会員からは多くの精神医学分野の教授、多数の優秀な研究者を輩出しており、エネルギッシュな活動は若い世代に着実に引き継がれております。


臨床精神神経薬理学とは「精神神経系領域の臨床薬理学、すなわち、適切な対象群に適切な薬剤を適切な量および方法で投与する合理的薬物療法のあり方を科学的に追及する学問領域」です。精神科薬物治療の安全性と有効性を精緻に検討した合理的薬物療法を追求するために、本学会で取り扱うトピックスは、精神科薬物治療に関連する薬物動態学、薬力学、薬物相互作用、ゲノム薬理学、薬物治療ガイドラインおよびアルゴリズム、有害事象、向精神薬の開発治験など様々です。これらの活動におきましては、アカデミア、産業界、行政機関などを含む関連学会および関連領域との連携が必須と考えております。


学会の主な活動は、年会開催、臨床精神薬理学に関するセミナーの開催、臨床精神神経薬理学専門医の教育と認定、各年の最優秀論文に対するPaul Janssen賞の授与、海外研修制度などがあげられます。中でも、学会の教育機能は充実しており、臨床精神神経薬理学セミナー、臨床精神薬理教育セミナーは毎回、臨床に役立つテーマを取り扱っておりますし、今後は更にe-learningやonline 講習会など、教育コンテンツの充実をさせていく予定です。また、学会から「専門医のための臨床精神神経薬理学テキスト」「精神科薬物療法のエキスパートコンセンサス」「統合失調症薬物治療ガイドライン2022」などの書籍も公表しております。


何卒、皆様のご支援、ご協力をお願いいたしたく存じます。




一般社団法人 日本臨床精神神経薬理学会 理事長
北里大学医学部精神科 教授
稲田 健