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【はじめに】
リスペリドンに対する治療効果が不十分であった初発統合失調症患者を対象にし、オランザピン への切り替えを行い、効果と安全性を検討した。
【方法】
リスペリドン治療に不十分な反応を示した58人の初発統合失調症の患者がエントリーされた。試験期間は12週間であり、最初の2週間でリスペリドンを漸減・中止し、同時にオランザピンを漸増させた。そして、その後の10週はオランザピンの用量を固定して観察した。評価尺度として、BPRS、CGI、CGI-ESRS (錐体外路症状評価尺度CGIバージョン)を用いて、2週間ごとにスケーリングした。治療反応群の定義は切り替え後にBPRSが20%以上低下し且つCGI-Severityのスコアが3以下(mildly ill)の患者とした。
【結果】
58人中、51人が試験を完了し、7人がドロップアウトした。ドロップアウトの内訳は、2人が過鎮静、1人が体重増加、3人がコンプライアンス不良、1人が不明であった。切り替え直前のリスペリドンの平均用量は3.2mg/日であり、試験終了時のオランザピンの平均用量は15.3mg/日であった。この切り替えにより、総BPRSスコアは12.3%低下し、有意差が認められた。また、BPRSを5つのサブスケール(1,Positive, 2,Excitement, 3,Negative, 4,Cognitive, 5,Anxiety/depression )に分類し評価した場合、Excitement (29.5%低下) とanxiety/depression(19.1%低下)のスコアが有意に減少していた。その他3つのサブスケールには変化がみられなかった。レスポンダ-は58人中17人(29.3%)であった。レスポンダ-とノンレスポンダ-を比較したところ、ノンレスポンダ-は切り替え前のBPRS-positive symptomのサブスケールの値がレスポンダ-より有意に高かった。また、レスポンダ-とノンレスポンダ-では、BPRSの改善度に有意差が見られたのは切り替え開始4週後であり、これは試験終了時点まで継続した。副作用として46.6%(27/58)に臨床的に問題となる体重増加がみられた。
【結語】
上記の患者群に対して、オランザピンへの切り替えは、有効な治療選択になりうる可能性が示唆された。レスポンダ-とノンレスポンダ-を見極めるには少なくとも切り替え開始後4週間の観察期間が必要であると考えられた。また、切り替え開始時点において陽性症状が高い患者においては、より慎重な切り替えが必要であることも示唆された。
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