Risperidoneの薬物動態におけるP−glycoproteinの関与
中神 卓1、古郡 規雄2、斉藤 まなぶ3、立石 智則2、兼子 直3
  1. 弘前愛成会病院
  2. 弘前大学医学部臨床薬理学講座
  3. 弘前大学医学部神経精神医学講座

P−Glycoproteinは腸管、肝臓、腎臓および脳に存在し、汲み出しポンプとして作用する薬物輸送トランスポーターである。近年、試験管内試験により、非定型抗精神病薬の中でrisperidoneがP−glycoproteinの基質であることが報告されたが、risperidoneの薬物動態におけるP−glycoproteinの関与は生体内では確認されていない。そこで、われわれは、P−glycoproteinに阻害作用を持つverapamilを用い、risperidoneの薬物動態および薬力学に与える影響を検討した。本研究に対し文書による同意を得た健常成人男性12名(平均年齢24±2才、平均体重64.8±9.4kg)にクロスオーバー法を用いオープン試験にて実施した。12名の被験者を1郡6名の2郡にランダムに割り付け、第1期および第2期にはrisperidone 1mgを単回経口投与し、投与後24時間までの採血を行った。Risperidoneおよび9−hydroxyrisperidoneの血漿濃度をLC/MS/MSにて、prolactinの血漿濃度を酵素免疫法にて測定し、第1期と第2期のパラメーターを比較した。なお、本研究は弘前大学医学部倫理委員会の承認後に実施した。Verapamil投与後、risperidoneのCmaxが約1.8倍、AUCが約1.3倍に増加した。Risperidoneと活性代謝産物である9−hydroxyrisperidoneの総和であるactive moiety濃度ではCmaxが約1.4倍に、AUCが約1.4倍に増加した。Prolactin濃度は薬物濃度の増加に伴いAUCが約1.2倍に増加した。第1期および第2期ともに忍容性は高かった。以上の結果は、verapamilのP−glycoproteinの阻害作用によりrisperidoneのbioavailabilityが増加したことを示唆しており、risperidoneの薬物動態におけるP−glycoproteinの関与が生体内でも確認された。


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